AIで仕事は速くなった。でも、最近解くべき課題は実装速度じゃなかった。
AIによって実装速度は大きく向上した一方で、仕事の疲れ方が変わった。レビュー量や未完了タスクではなく、「イベント管理」が新たなボトルネックではないかという考察を整理した。
AIで仕事は速くなった。でも、最近解くべき課題は実装速度じゃなかった。
最近、なんか頭が疲れる。
AIのおかげで実装は間違いなく速くなった。
Claude Codeに実装を任せて、その間に別の設計を考えて、ChatGPTと議論して、Slackが来たら返信して……みたいな仕事の仕方が普通になった。
生産性は上がっている実感がある。
でも、仕事が終わったあとも頭が休まらない。
なんでだろうと思ってここ数週間考えていた。
今のところ、自分が解くべき課題は、
イベント管理
なんじゃないかと思っている。
ここで言うイベント管理は、
- イベント監視
- スケジューリング
- 状態管理
あたりのこと。
逆に、実装速度そのものは今の一番大きな課題ではなさそうだった。
そこに至るまでに考えたことを整理しておく。
却下した課題①: レビュー量
最初はレビュー量が原因だと思った。
AIのおかげで自分もPRをたくさん作るようになったし、周りも同じ。
レビューする量もかなり増えた。
だから単純にレビューが多いから疲れるんだと思っていた。
でも、レビューだけの日って意外とそこまで疲れない。
物量は多い。
でも、頭は散らからない。
レビュー量だけが課題ではなさそうだった。
却下した課題②: 未完了タスク
次は未完了タスクが原因かなと思った。
最近はClaudeにまとめてPRを作らせることもある。
レビュー待ち。
修正待ち。
マージ待ち。
中途半端なものが増えている。
だから未完了タスクが頭に残り続けるのかなと思った。
でも、それも少し違った。
人間レビューをお願いして相手ボールになったタスクは、ある程度忘れられる。
もちろん完全には忘れない。
でも、自分ボールのタスクほど頭を使わない。
そう考えると、未完了タスクそのものが課題でもなさそうだった。
解くべき課題: イベント管理
ここで少し前のことを思い出した。
少し前、大きめの実装を担当していた時期があった。
その期間は、
- カジュアル面談を止めてもらった
- 社内ギルドを欠席した
- 他のタスクもなるべく持たないようにしてもらった
仕事量は多かった。
でも、今みたいな疲れ方ではなかった。
その実装が終わって通常運転に戻る。
カジュアル面談も戻る。
レビューも戻る。
Slackも戻る。
AIに実装を投げる仕事も戻る。
そのタイミングで、また今の疲れ方に戻った。
そう考えると、仕事量よりも、
同時に管理しているイベント数
が効いている気がした。
ここまで整理していて、ソフトウェアアーキテクチャと同じだと思った。
最初は同期APIで十分。
処理も少ない。
イベントも少ない。
でも処理量が増えると、イベントキューを作って非同期化する。
今の仕事も同じだった。
AIのおかげで、一つの処理は速くなった。
その代わり、
- AI実装待ち
- 人間レビュー待ち
- Slack返信待ち
- CI待ち
待ち状態が大量に発生するようになった。
仕事そのものがイベント駆動になっていた。
でも、自分の仕事の進め方は同期処理のままだった。
だからイベント管理が課題なんじゃないか、というところまで整理できた。
イベント管理を分解してみる
イベント管理と言っても、一つではなかった。
今のところ、大きく3つありそう。
イベント処理
実装する。
レビューする。
返信する。
実際にイベントを処理する部分。
ここはAIのおかげでかなり速くなった。
最近やっていたテスティングガイドラインの整備や、レビューエージェントを育てる取り組みも、全部ここへの投資だった。
だから、この方向性は間違っていなかったと思う。
スケジューリング
今日は何からやるか。
どの順番でやるか。
昔から紙のメモ帳に「今日やること」を書いていた。
振り返ると、あれはTodoを書いていたんじゃなくて、自分の頭のスケジューラを紙に出していた。
しかも、
「今日はここまでやれば終わり」
という終了条件も一緒に決めていた。
最近はそれがなくなっていた。
イベント監視
これが一番見落としていた。
レビュー返ってきたかな。
Slack来てるかな。
Claude終わったかな。
GitHubを開く。
Slackを開く。
またGitHubを開く。
イベントが発生したかどうかを確認する仕事。
AI時代になって、一番増えたのはこれなのかもしれない。
次にやろうと思っていること
ここ数か月は、イベント処理能力を上げることにかなり投資してきた。
テスティングガイドライン。
レビューエージェント。
設計エージェント。
全部意味はあった。
でも、それでボトルネックが移動した。
だから次は、イベント管理の方に投資してみたい。
今欲しいのは、もっと賢い実装AIじゃない。
GitHubやSlackを監視して、
「これは相手ボールだから今は忘れていい。」
「今日はこれだけやれば十分。」
そう整理してくれる仕組み。
実装をAIに任せることよりも、
自分の注意をどう管理するか。
少なくとも今の自分は、そこが次に解くべき課題なんだと思っている。